筑波大学大学院ヒューマンバイオロジー学位プログラム（博士）の卒業生からのメッセージを掲載しています

「ヒト」の生物学の概念を理解すべく、生命科学・医学・計算科学・物質科学を学び、適正技術教育・海外ラボローテションを受講しながら、卒業要件を満たすのは正直なところ非常にハードです。
しかし、人生で最も成長の伸び率が高かった5年間であったことは確固たる事実です。なぜならHBPは努力せずにはいられない環境だからです。自分の今の位置から一歩ずつ前へ足を踏み出し続ければ、気づかぬうちに周囲の景色は変わっていきます。

HBPの大きな魅力は、研究分野の偏りなく様々な授業を座学のみならず実践的に受講できるところです。適正技術教育では発展途上国におけるビジネスを学び、固定概念を捨ててビジネスモデル立案のために多くのグループディスカッションを行いました。実際に訪れた東ティモールではフィールドトリップを通じて多くの“Fact（事実）”と“Find（事実から読み取れる気づき）”を体感することができました。この経験はビジネスだけでなく自身の研究においても生かされたことから、HBPが提供する学際的な環境は私の大学院生活を豊かにしてくれたと感じています。

HBPでは多くの貴重な体験をしましたが、ここでは3つ紹介します。 第一に学際的な研究機会があること。私自身HBPでの経験を経て自分にあった専門分野に出会うことができました。次に学生支援が豊富であること。奨励金やトラベルグラントがあり、本当に学習に集中できる環境でした。最後に、学生の縦横のつながりが強いこと。さまざまな背景をもつ学友からはいつも特別な刺激を受けていました。HBPでの経験はきっと人生の幅を広げると思います。今後の入学生に会うことを楽しみにしています。HBPの一番の魅力は多様性を提示することだと思います。これはHBPの学生・教職員・スタッフの全員が多様な背景と興味を持っているからにほかなりません。学生としては日々異なる魅力的な研究や活動に触れることになり、どこに進むべきか迷ってしまうかも知れません。しかしHBPでの知見や経験をもって選んだ道はきっと自信をもって進めます。ぜひ存分に悩んでください。

HBPでは給付型支援、海外渡航支援や学生寮の入居など様々な経済的サポートを受けることができるため、自らの「学び」に没頭できる環境があると思います。さらに、本プログラムでは、国内外の産官学における多種多様な学びの場から自主的に選択し挑戦することができ、自分の最適な環境に身を置ける点が魅力です。私はHBPの5年間でグローバルな仲間達と切磋琢磨した経験が、現在の企業の研究現場でも生かされていると感じています。

HBPでは短期〜長期の複数のラボローテーションの機会があります。これは自分の研究を多面的に捉え、厚みのある研究に繋げられる良い機会だと思います。私は特にEdinburgh大学での半年間が印象的な経験です。例え博士論文の研究テーマと異なるラボに行く場合でも、その経験・知識をいかに自分の研究と関連づけられるかを考え、新しい発想を自由に楽しめばよいのだと思います。HBPではそれをサポートしてくれる仲間がいます。