高橋智先生

このような仕組みがうまく働いて

やってみて気づいたことですが、HBPが有する特別奨励金制度が学生の情報を収集するのにうまく働いているようです。奨励金を受け取るためには、学生は学修内容に関するレポート提出を毎月行い、評価してもらう、というプロセスが必須となります。これが実は当初想定していなかった仕組みとして働いていて、例えば学生が学校に来なくなると、レポートの提出も滞ります。言い換えると、A4 1枚のレポートを書くことで給付金がもらえるにも関わらず、そのレポートを書かなくなるのは、「書けない」状態になるからです。つまり、1ヶ月単位で学生のコンディションを把握することができます。提出されたレポートは、学生支援委員会の担当者がチェックしているため、提出が遅れたり滞ったりすると、管理者の我々にも情報が伝えられます。その情報を受けて、該当する学生に状況を確認することで、「書けない」状態の背景を知ることができます。また、チェックを担当する学生支援委員会は研究室外部の組織であるため、研究室内外双方の管理が可能になります。他の一般的な研究科においては、このような管理体制を敷くことは難しいと思います。

HBPでは、このような仕組みがうまく働いているため、学生に対する迅速な対応が可能なのです。

研究科・研究室を超えた教員・学生の交流

【学生支援・指導体制】

企業ならびに海外の研究室での共同研究、アントレプレナーシップや適正技術教育などの実践型学修など、学生が享受する多様な学修環境を包括的に支援する必要があった。

HBPでは、学内の教員のみならず、学外の研究所や企業の研究者、また他大学の教員を巻き込んだ教員団を形成し学生を支援。また、学外との連携を要する海外ラボローテーション・インターンシップなどの科目においては、派遣先現場担当者や学外の有識者・専門家も学生の学習支援に携わるなど、重層的なTeam Teachingの環境を実現。

阿部真弓

「HBPの雰囲気」のようなもの

私一人だったら、途中でダウンしていたかもしれません。周囲の人のおかげで気持ちが切り替わり、やる気が出て、続けられたのだと思います。先生や先輩は、気持ちの切り替わるような場所で親身になって話を聞いてくれるなど、本当に助けられました。HBPの同級生とは、共感しあったり、励ましあったりして、お互いに辛い時期を乗り越えました。

一般的な研究室所属の学生の場合、ラボの中でのやりとりくらいですが、HBPでは、年間を通じて様々なイベントが企画され、先輩・後輩・同学年の多くのメンバーと顔をあわせ、それがコミュニケーションの機会となっています。

一言で言うと「HBPの雰囲気」のようなものがあります。相談する人も多く、相談しやすく、普段話していなくても、絶対相談に乗ってくれる、そんな感じです。

HBPに入った当初は、人と話すのも英語も苦手でした。そういうときに、先生に「一回海外行ってみれば」と言われて、必須科目であるショートインターンシップを使ってオランダに行きました。その時人生で初めて、自分から行くしかない、積極的に行こうと思えたんです。それが少し一皮剥けた瞬間でした。

授業やイベントを通じて育まれる仲間意識

【学生の自発的な企画・提案】

学生の企画・提案力を養成すべく、研究活動に加えて、多種多様な実践型科目を提供しているが、HBPの人材養成目標達成のためには、卒業や単位取得目的を超えた学生の「自主的な」企画・提案力を養成する必要があった。

将来のキャリアの多様性を理解することを目的にしたイニシエーションセミナーを学生の自主企画として位置付け、自主的なチームワークの機会を提供。その他にも企業主催のビジネスコンペティションやTsukuba Science Glonal Week(TGSW)への参加など、学生が自主的な企画・提案を行う機会を積極的に提供。