奥脇暢先生

当初は全く英語ができなかった日本人の学生が

HBPは学位審査の基準にTOEIC860点以上に相当する英語能力を要すると示しています。これはHBP申請時に定めた基準であるため、実際にプログラムが開始し、学生が年次を追うごとに、我々教員も基準点が相応なのか、もし基準点に達しない場合はどうするのか、という議論を行う機会が増えました。

例えば、英語のネイティブスピーカーで、医学の英語の先生に面談をしてもらって、英語力がTOEIC860点相当あるか否かを審査もらうことも議論・検討しましたが、これまでに面談を行ったことはないですし、学位審査基準にも記載していません。

授業はすべて英語で、HBPのメンバーとも英語で会話し、また成績評価の1つでもあるGLidDも英語で行っているため、日本人学生の英語力は確実に上がっています。外国人の割合が高いHBPメンバー全員が寮生活をともにしていることも大きく寄与していると思います。

当初は全く英語ができなかった日本人の学生が、最後には一般的な研究科に所属する日本人学生の平均的な英語力以上の英文を書く能力を身につけていたことには驚きました。

年齢・国籍関係なく打ち解ける学生たち

留学生と日本人学生が共に英語で学ぶ環境

【HBP学位授与基準】

地球規模課題の解決を先導できる国際的トップリーダー人材の養成を目的としたHBPにおいては、学位を世界基準で保証し、ユネスコが設定する博士の学位に相当する学位授与基準を設定する必要があった。

最終試験申請にはTOEIC860点相当以上の英語力、GLidDの10項目25ポイントの達成、必修科目を含む72単位の修得、QE1及びQE2の合格、国際誌へ2報の論文(1報は筆頭著者)発表が必要。最終試験では、HBPの養成する人材養成像に要する資質と能力を総合的に評価し、ヒトの生物学において博士の学位に相応しいと認められる企画書・提案書・学術論文を公表する能力を有すると認められることを合格の基準とした。

菊地琢哉

同等の英語力を持つ他の博士の方々よりも

入学当時の英語力はTOEIC730点程だったので、修了時の要件の860点をクリアすることは大変だと思いましたが、5年間あるプログラムの中には、海外での研究活動もあり、メンバーも国際色豊かで、不安よりも期待が上回るスタートでした。

入学当初は外国人の速いプレゼンテーションについていけないことも多かったですが、完璧に理解することを求めず、分からないことがあることを前提に授業に臨むことにしました。授業においては配布資料もあり、分からなかったところは授業後に自分で勉強したり、友達と英語でやりとりしながらフォローアップすることにしました。この時間が楽しかったですね。

ただ、TOEICのスコアは、なかなか基準点に到達しないという状態が続きました。けれども、最悪のケースは考えずに前向きに自分を励まして勉強していました。最終的にはHBPが提供してくれる英語環境のおかげで、860点をクリアできたと思っています。

HBPを修了して、現在会社で働いていますが、外国人と打ち解ける速さには驚いています。同等の英語力を持つ他の博士の方々よりも、外国人の方との絡みがスムーズで、相手が困った時には、頼りにされますね。

HBPの仲間達、海外ラボ先の仲間達と一緒に何かを作り上げてきた経験のおかげだと思います。

留学先での研究活動

東北被災地課題に取り組む適正技術教育

【英語力の習得】

学位の質を保証し、その国際的通用性、国際的互換性を担保すべく、英語力に関してはTOEFL iBT 90点、TOEIC 860点以上といった具体的かつ高い基準を学位申請要件としたため、学生の英語力の習得を確かなものにする学修環境の整備が必要であった。

本プログラム専用の国際学生寮を設置し、国籍の異なる学生との共同生活によって、文化や生活習慣の異なるグローバルな生活環境を実現。また、学生が参加する研究室ではすべてのセミナーは英語化され研究室の国際化も整備された。